南国である沖縄には色鮮やかできれいな貝がたくさんいます。
その中には食用のものもあります。
貝と一言で言っても、二枚貝と巻貝があり、
さらに種類も沢山あります。
毒のある貝はもちろん食べてはいけませんが
普段スーパーや飲食店で見かける貝の中にも
食べ過ぎてしまえば体調に不調をきたすものがあります。
今回はそんな貝の貝毒やウィルス、アレルギーや肝臓への影響、
その体内に与える影響について調べてみました。
貝を食べ過ぎて気持ち悪いし腹痛で下痢気味!何個まで大丈夫?アレルギーは?肝臓には良い?効能はないの?調べてみた
貝を食べ過ぎて腹痛や下痢になる?何個まで良いの?
貝を食べ過ぎて腹痛や下痢などの症状が起きる原因として考えられるのは
アサリなどの砂抜きが不十分であることが考えられます。
対策としてはきちんと砂抜きをするということ
海水と同じ濃度の塩水につけてしっかり砂を抜きましょう。
潮干狩りでとったものは特に注意しましょう。
他に腹痛や下痢の原因として考えられるのは
貝の消化ができない状況にあるということで
歯ごたえのいいツブガイやアワビなどが
硬くて消化不良になり腹痛や下痢を起こすことがあります。
消化しやすい方法で調理しましょう。
最も注意しないといけないものは食中毒です。
貝による食中毒で考えられる主に以下の2種類があります。
ノロウイルス
ノロウィルスによる食中毒の原因は
貝類が体内にノロウィルスをため込んでしまうことが原因です。
貝類はエサとなるプランクトンを海水と一緒に取り込みますが
その海水内にノロウィルスがいるとそれも吸い込んで体内にため込んでしまいます。
ノロウイルスが海水に存在する原因は
人間の糞便が下水を通じて海に流されてしまうことが原因です。
症状としては吐き気、下痢・腹痛や熱が出ることもあります。
健康な大人であれば上記の症状も1日2日で回復できますが
子供やお年寄りなどは重症化するリスクがあります。
ノロウィルスの予防として調理者の手洗い、
調理器具の滅菌や貝類の十分な加熱が必要です。
私も一度ノロウイルスに感染したことがあります。
その時はお医者さんに出せるものをすべて出すように言われました。
3日程苦しんだ記憶があります。
恐らく自炊で使った牡蠣が原因だったと思います。
自炊する場合は特に清潔にし加熱する必要があります。
テトラミン食中毒
テトラミン食中毒とはつぶ貝にある唾液腺に含まれる
成分から発症する食中毒です。
テトラミン食中毒が発症すると以下の症状が30分ほどで発症するとされます。
- 視覚異常
- 船酔いのような吐き気やめまい、頭痛
上記の症状は数時間安静にしていると回復することがあります。
予防法としては先にお伝えしたつぶ貝の唾液腺を除去することです。
殻から取り出した実を真ん中に切れ目を入れると
白い塊があり、それが唾液腺です。
取り除いたらきれいに水洗いしましょう。
食中毒以外で貝による腹痛や下痢が起きる原因として考えられるのは
貝による自然毒です。
毒を含んだプランクトンを食べた貝がその毒を体内に蓄えてしまうことで
その貝を食べることで毒に中ってしまいます。
自然毒には治療薬がないものもあり、
その場合は毒が体内から外に排出されるのを待つしかない場合があります。
体調不良を感じた場合、直ちにかかりつけの医療機関に相談しましょう。
対策としては、自然毒は貝の生活環境によります。
なので市場に出回っているものは検査されているので
そこまで注意する必要はありません。
また、潮干狩りも管理された場所であれば
検査されているはずです。
気を付けるべきはきちんと管理されていない場所で
取得した貝を食べることです。
出所がわからない貝は危険です。
加熱処理をしても毒がなくならない可能性があるので
食べるのは控えましょう。
他には貝の栄養素による栄養過多が原因で
吐き気や腹痛を催すことがあります。
例えばあさりは鉄分を豊富に含んでいます。
通常であれば問題ないですが
サプリメントや薬などで鉄分を補助している場合、
鉄分摂り過ぎになり、吐き気や腹痛を催してしまうことがあります。
あさりは1日200から300グラムが摂取の目安とされています。
ですが、鉄分を薬やサプリメントでとっている場合は
食べ過ぎに注意しましょう。
同様にホタテには亜鉛が豊富に含まれていて
ホタテを食べ過ぎて亜鉛の摂取が多くなり、
吐き気や腹痛を起こすことがあります。
どのケースにせよ、貝を食べて体調が悪くなり、
症状が回復しない場合はかかりつけのお医者さんに相談しましょう。
貝のアレルギーはあるの?
貝を食べることによるアレルギーについてまとめました。
貝のアレルギーの原因物質はトロポミオシンというたんぱく質で
エビやカニなどの甲殻類、タコやイカなどの軟体動物の
アレルギー物質と同じです。
そのため、甲殻類アレルギーや軟体動物アレルギーがある場合、
貝アレルギーも発症する可能性があります。
ですが、逆に甲殻類アレルギーがなくても貝を食べたことによる
アレルギー症状が起こる場合がありますので
症状が起きた場合はすぐにかかりつけのお医者さんに相談しましょう。
アレルギーの検査を実施し自身のアレルギーが何なのかを把握しておくと
より安全に暮らせるでしょう。
アレルギー症状としては以下の症状があります。
- 喉のかゆみ
- 皮膚の蕁麻疹
- 嘔吐
- 腹痛
これらが重症化すると呼吸困難、血圧低下や意識障害などの
重篤な症状がでることがあります。
不安を感じたら直ちにかかりつけのお医者さんに相談しましょう。
貝のアレルギーが発症しやすい貝は以下の通りです。
- アワビ
- あさり
- 牡蠣
- ホタテ
- ムール貝
アレルギー表示の特定原材料に準ずるものとして
アワビが記載されているのは発症する可能性が高いからかと思われます。
貝によるアレルギーが懸念される場合は表示を確認しましょう。
貝の調理をする際に十分加熱することで
アレルギー発生物質を抑えることができる場合もあります。
ですがこちらは完璧に抑えることができるというわけではありません。
不安があればかかりつけのお医者さんに相談しましょう。
貝を食べると肝臓に影響があるの?
貝の成分で肝臓に影響があるものはタウリンです。
タウリンには肝臓の働きを活性化する効果があります。
以下、タウリンについて紹介します。
タウリンは厚生労働省の情報提供によると
たんぱく質が分解される過程でできるアミノ酸様の物質です。
タウリンは体重の0.1パーセントは体内に存在していて
心臓などの内臓から脳などの器官にも含まれていて
生命維持活動に必要な成分です。
またタウリンは胆汁酸と結合してコレステロールを消費し
コレステロール量を低下させます。
タウリンには他にも血圧のコントロールや
視力回復効果、インスリンの分泌を増やす、
母乳に含まれて、乳児の視力などの発達に影響がある
とされています。
タウリンというと疲労回復効果が出てくると思いますが
マウスの筋肉疲労の研究はありますが
人間での研究はまだまだ研究途上中のようです。
タウリンの摂取量については大量に摂取しても
副作用等はないとされていますが、
貝から摂取する場合は先にお伝えした腹痛やアレルギー、
栄養ドリンクから摂取する場合はカフェインなどのその他成分を
過剰摂取してしまことがあるので注意しましょう。
貝に含まれる栄養素と効能は?
貝には先にお伝えしたタウリン以外にも沢山の栄養素が含まれています。
貝に含まれる栄養素とその効果についてまとめました。
ビタミンB12
ビタミンB12は、その名前の通りビタミンB群に属する栄養で、
ビタミンB12が不足するとめまいや頭痛、神経精神疲労、
慢性疲労などを引き起こします。
ビタミンB12は、貝類には多く含まれます。
特にあさりに含まれているビタミンB12の量が多いです。
ビタミンB12は水に溶けやすい水溶性ビタミンで
栄養を十分に取るためには貝だけでなく調理で出てきた
汁も一緒に取りましょう。
ビタミンB12の効果としては酵素の働きを補助する作用があり
アミノ酸などの代謝やDNAの生成を助け、
赤血球の生成にも関連し、巨赤芽球性貧血を防ぐ作用があります。
ビタミンB12の過剰摂取は起こりにくいとされますが
貝類を食べ過ぎると先にお伝えした現象が起こる可能性があるので
食べ過ぎに注意しましょう。
カリウム
カリウムは体内の塩分や水分を
体外に排出してくれる作用があります。
カリウムはホタテ、アサリに多く含まれます。
日本食品標準成分表によると
ホタテ100グラムに含まれるカリウムは310ミリグラム、
アサリ100グラムに含まれるカリウムは140ミリグラムです。
カリウムの作用としては
血圧の上昇を穏やかにしてくれたり、
むくみを解消する作用が期待できます。
また濃度が高い塩分は血圧をあげる要因です。
カリウムを摂取することで血圧をコントロールできます。
最大摂取量についてカリウムは決まっていません。
カリウムは塩分を排出する作用があるため
摂取量が多くなると尿が過剰に排出されます。
ですが腎臓機能が弱っている場合、カリウムがうまく排出されず
体内に残ってしまい高カリウム血症という症状を引き起こす場合があります。
薬やサプリメントからカリウムを摂取している場合も同様です。
気なることはかかりつけのお医者さんに相談しましょう。
鉄分
貝類には鉄分も含まれています。
鉄分にはヘム鉄と非ヘム鉄があり、
貝類に含まれる鉄分はヘム鉄になります。
しじみ、あさり、はまぐり、牡蠣に多く含まれています。
含有量は以下の通りです。
鉄分は貧血防止、体力向上などの効果があるので
貧血気味の方は率先して食べるといいでしょう。
ですが、薬やサプリメントで鉄分をとっている場合
食べ過ぎに注意が必要です。
鉄分を摂り過ぎると消化器官に不調をきたしたり
亜鉛吸収を阻害することがあります。
貝を食べ過ぎると痛風になるの?
痛風の原因はプリン体ですが貝類にもプリン体が含まれています。
貝の中でも牡蠣にプリン体が多く含まれていて
牡蠣100グラムに含まれるプリン体の量は180ミリグラムです。
他の貝にもプリン体は含まれています。
アサリの場合は100グラム当たり145.5ミリグラム、
ハマグリには100グラム当たり104.5ミリグラム、
ホタテは100グラム当たり76.5ミリグラムです。
プリン体自体は体内でも生成され、細胞増殖や代謝に必要なので
体に悪いということではないのですが
摂取しすぎるとプリン体が代謝されず
残ったプリン体が肝臓で分解され尿酸を生成します。
体内で生成された尿酸は尿として排出されます。
排出される量は700ミリリットルです。
体内で生成された尿酸の量が排出される量と
同等であればいいのですが、
先にお伝えした牡蠣やアサリ、ハマグリやホタテを食べ過ぎると
プリン体が体内で増加し、肝臓で生成される尿酸が増え
体外への排出が間に合わず、高尿酸血症になってしまいます。
高尿酸血症になると血液中に尿酸が溜まってしまい
それが結晶化して関節に集まります。
集まった尿酸が関節運動で壊されると
白血球が尿酸を異物と判断し攻撃を開始します。
その結果関節に痛みが出ます。
これが痛風です。
痛風は発症するとすぐに痛みが起きます。
関節の中でも足の親指に痛みが出ることが多いです。
また性別で見ると女性より男性のほうが痛風のリスクが高いとされています。
理由は女性ホルモンに尿酸を排出する機能があるためです。
しばらく痛みを我慢すれば落ち着くことがありますが
高尿酸血症の状態が続いていれば別の関節に尿酸が溜まってしまい
そこが痛くなることもあるので、尿酸値を管理することが対策になります。
高尿酸血症は腎機能低下や尿管結石などを
引き起こす要因にもなります。
ですから痛風かなっと思ったら直ちに医療機関を受診し、
お医者さんの指示に従いましょう。
これが一番の対処法です。
個人でできる痛風の予防法としてプリン体を控えて
1日2リットル位の水を飲むようにし、
アルコールを控えて、ストレスをためないようにする。
さらに適度に運動し、健康的な体を作る。
ということが予防法になります。
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